宮司のつぶやき


日本の歴史を大切に

現在日本の政治がしっかりしていないのは、日本の歴史を日本人自身がよく理解していないことに原因があるのかも知れません。それは、義務教育で歴史教育をおろそかにしているからだと思うのです。自分の国がどうやって現在まで続いては来たのか、どうやって発展してきたのかをしっかり教えていないから、自分に自信が無いのです。昭和二十年の終戦から米国を中心とした進駐軍の占領政策は、欧米の列強を相手に戦いを挑んだ日本を、二度と対抗できぬように精神を骨抜きにするための政策だったと考えざるを得ません。。自由と平等と人権の尊重は、歪んだ形で教えられ、当時の指導者を悪者としてでっち上げ、処刑や追放の処分をした。そして、自己批判によって日本人は、自らに悪人のレッテルを貼ったばかりでなく、祖先の努力の成果である歴史や文化や教育などを否定していったのです。さらに、高度経済成長は、資本主義の大量生産と大量消費による金儲けを人間の価値判断の基準にしてしまいました。自ら人間性を否定し、まさに「金と欲」を追求することが善であるという世相になってしまったのです。この「繁栄」の中で失われた大切なものは、どうやって取り戻す事ができるのでしょうか。それは、まず失った大切なものが何であったのか気付くことから始まります。それには、荒廃した教育現場に生気を吹き込まなければなりません。今の日本の教育は、中央官僚の作り出す新たなビジネスの様相を呈し、その最たるものが「ゆとり教育」であり、塾なくして教育はないくらいに学校よりも塾に教育の比重が動いています。先生の質が落ちても、教育レベルが落ちても、塾があるから学校教育は形ばかりの適当なもので良いのかとも考えてしまいます。先生の質の向上は、先生が大学院修士課程を修了すれば良くなるのでしょうか。十年ごとに教員免許の更新をするために講習を受けることで先生の質を向上できるのでしょうか。いいえ、教育は心が大切なのです。心こそが人間を向上させる根本です。生徒のことを心から思い、しっかり導けば生徒はしっかり成長していきます。自らの力で自分の人生をしっかりと歩んでいけるでしょう。日本史に登場する優れた人々は一日でそうなった訳ではないのです。必ず師と仰ぐ人がいるはずです。

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