![]() |
家族
家族制度が崩壊し、個人の利益が優先される世の中だが、家族の中で個々の人間のわがままがまかり通って、かえってお互いの心の絆がずたずたに切られ、孤独を感じる人が多くなりました。特に子どもは、生まれてから社会に旅立つまでの間、家族の中で様々な事を学び、精神的に自立した大人へと成長していきます。様々な経験を積むことで、世の中の多様な生活にも対応できるようになるのです。家族と地域社会とは、全く関わりがないのではなく、社会生活をして行く中で、目に見えるものだけでなく、目に見えないけれども何らかの関わりを持って生活しているのです。
しかし、近年特に周囲との関わりを嫌がる日本人が多くなりました。人との関わりがうっとうしいとか面倒だとか思って、まさに思春期の少年少女のような行動をする成人が現れています。世の中が便利になり、物質的に豊かになり、個人の権利が優先され、自由を謳歌している日本人。外国人から見れば、幸福に思える国でしょうが、実情は人との絆が薄れて孤独になり、そのストレスを虐待、自殺、暴力、破壊などの負の方向に向ける人が増えています。そして、それは家族に向けられやすく、悲惨な事件が多発しているのです。 なぜこのような国になってしまったのでしょう。それは、心の支えとなっていた神仏に手を合わせる信仰の生活を「つまらない」「くだらない」「迷信だ」などと真っ向から拒否し、それが進歩した人間の生き方であり、科学的に証明された理論こそが正しいことであるという考えを植え付けられたからです。科学万能主義は、科学の進歩には貢献しました。お蔭で人類は月にまで行けるようになりました。しかし、一瞬にして地球を破滅させる力をも手にしました。人に感情があっても、科学理論には感情はありません。人は感情を持った生き物です。これで良いのでしょうか。 さらには、幸せや命をお金に置き換えて考える金銭主義や、人々の不安感を利用して情報操作によって世の中を思い通りに操ろうとする情報掌握主義、形だけ繕ってきれいに見せかけておけば大衆はすぐ飛びついてくると考える:形骸主義、そして、もっと悪質な暴力的威圧的な脅威を与えるような人たちも増加しています。このような人たちが、世の中の中枢にいて権力闘争をしているよう状況になれば、国家は自滅です。 家族の絆を大切にし、家族が神仏に手を合わせ、家運の長久繁栄と家族の幸せを祈りる姿を日本の家庭に取り戻してこそ、心豊かな温かい家庭が築けるのではないでしょうか。 |